2007年01月29日

ついつい食べたくなる絵本



「ちびくろ・さんぼ」/ヘレン・バンナーマン

これもまた定番中の定番ではあったものの、人種差別につながるとされ、長い間絶版になっていた作品だ。個人的な意見としては、差別の要因は見つからないと思うが、今回はそれが目的ではないので、その話題はこれで終了。

私は、今でこそこんなブログを開設しているものの、子供の頃、あまり絵本に接する機会が多かったわけでもない。従って、今の年齢になってこれを読んだのだが、それでもスゴイ本だと思う。多くの方々が、「色んな絵本を読んでもらったけど、全部内容忘れちゃった」と言った中で、「これだけは覚えている」と言うだけはある。

だってですよ、トラがですよ、バターになってですよ、ホットケーキにのせるのですよ(笑)。


この大胆な発想は、わが国が誇る浦島太郎に匹敵するインパクトではなかろうか。

ちなみに、絵本やアニメに出てくる、“一度食べてみたいものmyベスト3”は、

1「ちびくろ・さんぼ」の ホットケーキ
2「アルプスの少女ハイジ」の チーズのせパン
3「ルパン3世カリオストロの城」の 山盛りスパゲティ

だ。

……お腹すいた。  


Posted by aroha at 12:23Comments(6)子供むけ絵本

2007年01月25日

何10年先まで残したい絵本



もこ もこ もこ / 谷川 俊太郎

一度聞いたら忘れられないこのタイトル。
“思い出に残る1冊の絵本”というのは誰にでもありそうなものだが、これを挙げる人も多いのでは?

とにかくシンプルな内容だ。「もこ」と、地上から出てきた“何か”。それが、「もこもこもこ」と成長し、「ぱあん」とはじけ、また「もこ」と最初に戻る(ほら、もう終わった〈笑〉)。つまりエンドレスに楽しめる。

初版が発表されたのはもう20年以上も前になるようだが、今でも小さい子供、大興奮の絵本らしい。

この、シンプルすぎる文と絵に、子供の頃(と、言っても小学生時代だ)はただただ大笑いしていたばかりだったが、ひょっとするとここには、作者の深い真理が隠されているかもしれない(いや、いないか?)し、そんなことを想像するのも楽しい。

あまりにも単純でインパクトのあるこれは、何10年先まで語り継がれるにふさわしい1冊だと思うが、どうだろう。  


Posted by aroha at 16:49Comments(2)子供むけ絵本

2007年01月24日

全員がはまった伝説の絵本



「おまえうまそうだな」/作みやにしたつや

最初の紹介はぜひこれにしたかった。
絵本にあるまじきタイトルと思わないで(いや、思って?)欲しい。
一度ご覧になっていただければ分かると思うが、絵が結構どぎついので、絵本の絵には、ファンタジックなものを求める人は、あやうく素通りされかねないものだ。

が、それはあまりにももったいない。友人知人、8名(中途はんぱやな…)にこの絵本を教えたところ、全員がはまり、その内の1人、小学校教師は、現在高学年を受け持っているくせに、来年は低学年を受け持つことになるはずだからと(もちろんそんなこと決まっていない)、パペットまで買い求めたという、私たちの間では伝説になっている作品なのである。

最初にこれをすすめられたのは、グラフィックデザイナーの私の姉(つまりまるがお姉)からで、初めてこれを店頭で見た時は、私も「え、これ?」と戸惑って、あまり読む気がしなかったものだ。

しかし、読んでいく内に、この世界にすっかりはまりこんだ私は、なんと店先(つまり立ち読みしていた。ちゃんと買おう)で、マジ泣き寸前まで行った。とてもマニアックな話になるが、手塚治虫さんの「ブラック・ジャック」で、誘拐犯と子供のこんな話があったなあと思う。

話の内容をここで語るには、読むときの楽しみが半減するので差し控えたい。だが、けっこう本の虫の私が、昨年読んだ名だたる名作家を差し置いて、『My Book Of The Year』に輝いたのが、この作品だ。

この作者は、この「ティラノサウルスシリーズ」(そう、この絵はティラノサウルスなんです)のほかにも、「おとうさんはウルトラマン」シリーズで数多くの作品を発表されているので、そちらもご一読をおすすめする。

  


2007年01月22日

たかが絵本、されど絵本



絵本との出逢いは、あるテレビで流された一冊の本がきっかけだった。
『不思議の国のアリス』をポップアットアートで表現したその本は、まさに衝撃的の一言だった。

ロバート・サブタという、その世界では第一人者の絵本。少ないページの中に、小さくて大きな芸術が展開されていた。

子供の頃、絵本を読み語りされた人も多いと思うが、私はあまりそういう記憶が無い。だからかもしれないが、本は読んでも絵本には手も触れないという性格だったが、それ以来、ポップアップ絵本以外の絵本の世界に、私はのめりこんで言った。

たかが絵本、されど絵本。
絵本の世界には、子供だけでなく、大人も感動できる世界がある。現に、友人の子供の誕生日祝いに絵本を贈ると、子供ではなくその親が喜んだ。


そんな絵本初心者の私が、これからおススメの本を紹介していくので、よろしくお付き合い願いたい。