2007年02月14日

◆とてもいろんなことを考えさせられる絵本

とてもいろんなことを考えさせられる絵本

おおきな木/シェル・シルバスタイン

これも人に勧められ、最近読んだ1冊だが、かなり印象に残る1冊だったので、ここに紹介する。

主人公は、“おおきな木”と、1人の少年。少年は“おおきな木”のところに毎日通っては一緒に遊んでいて、それは両者にとって、とても幸せな時間だった。

“おおきな木”は少年のことが大好きで、彼が「欲しい」と言えばなんでも与えてしまう。木の実、枝、さらには彼の成長に従って要求がエスカレートし、幹まで欲しがっても。(ちなみに少年の欲求は、お金や家という、個人的なものだった)。

やがて“おおきな木”は切り株だけになり、成長した彼は、木の所に来なくなってしまう。木は言う。
「彼に与えることが私の喜びだから、それでも私は幸せ」と。*注・英語版の私の直訳

ここで唐突に出てくる、
――でも、本当かな。
という一文が、なんとも印象的だ。
(英語版では木は“She”になっている。恋心に近かったのだろうか?)

この後、“おおきな木”と同じく、全てを失って老人になった少年が、木のところにやってきて、切り株に座り、休む場面で物語りは終わる。とてもシンプルな絵と文だが、下手な社会派小説より、よほど色んなことを考えさせられる本だ。

だから、子供よりむしろ大人にこそ読んで欲しい1冊だ。尚、原題は“The Giving Tree”という。「寛大な木」という訳よりも、そのまんま「与える木」の方がふさわしい気がする。


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